糖尿病性腎症の進展予防にむけた病期分類-病理-バイオマーカーを統合した診断法の開発

臨床研究

臨床研究について

本研究班では、糖尿病性腎症と腎硬化症の進展機序の解明ならびに予後改善を目的として、3つの研究を進めています。

【全体研究:糖尿病性腎症例を対象とした予後、合併症、治療に関する観察研究(糖尿病性腎症レジストリー(Japan Diabetic Nephropathy Cohort Study: JDN-CS)】

  • 目的

     本研究は、日本腎臓学会の腎臓病総合レジストリーと連携して実施している、糖尿病性腎症の前向き観察研究です。
    腎症発症前ならびに腎症病期分類第1~5期の2型糖尿病の患者さんを対象としており、登録時ならびに定期的観察点(半年~1年毎)における臨床情報と、予後に関する情報を収集させていただきます。さらに、本研究は、尿検体の収集ならびに腎生検例が含まれることを特色としており、分担研究である病理学的な研究やバイオマーカー開発の研究とも連携して、わが国の糖尿病性腎症の病態•予後を包括的に解析することを目的としています。

  • 症例登録

    本研究の登録期間は2017年12月31日まで延長され、登録後の経過観察も継続しています。

【分担研究:診療水準向上にむけた重症度評価法の開発】

  • 目的

     本研究は、腎生検により糖尿病性腎症および腎硬化症と診断された患者さんを対象として、臨床情報と腎組織標本を評価し、臨床に役立つ標準的な診断法などを検討しています。

  • 症例登録

     本研究の症例登録にご協力をいただける施設は、事務局までご連絡下さいますようお願い申し上げます。

【分担研究:早期診断ならびに重症化防止のためのバイオマーカー開発】

  • 目的

     本研究は、糖尿病性腎症と診断された患者さんを対象として、体外診断薬として公式に承認を受けている尿中肝臓型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)、尿中アルブミン、尿中N-アセチルグルコサミニダーゼ(NAG)の測定を行い、糖尿病性腎症の早期診断および重症化防止に有用なバイオマーカー、およびその最適な組み合わせを見出すことを目的としています。さらに、糖尿病性腎症の評価に有用なバイオマーカー開発の基盤研究も進行しています。

  • 症例登録

     本研究の症例登録にご協力をいただける施設は、事務局までご連絡下さいますようお願い申し上げます。

【二次研究:J-RBR(日本腎臓学会腎生検レジストリー)に登録された糖尿病例と高血圧例の病理組織診断に関する検討】

  • 目的

     本研究班の二次研究として、日本腎臓学会が大学病院医療情報ネットワーク上に構築した「日本における腎臓病総合レジストリー」に登録されているコホート研究のうち、「腎生検症例登録(Japan Renal Biopsy Registry, J-RBR)」に登録された糖尿病例と高血圧例の病理組織診断を検討し、本邦における糖尿病例と高血圧例に合併した腎疾患の実態を評価する観察研究です。

  • 症例登録

     研究計画書ならびに説明文書を御確認いただき、参加の中止を希望される患者様は、事務局あるいは患者様が受診されている医療機関の担当医師までご連絡下さいますようお願い申し上げます。

  • 厚生労働科学研究成果データベース
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  • 社団法人 日本腎臓学会
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