各部門紹介

染色体・遺伝子検査室

 

染色体・遺伝子検査室では主に造血器腫瘍の診断・治療効果の判定に有用な染色体検査(FISH検査)や遺伝子検査を行っています。
その他、肝炎ウィルスの遺伝子検出やサイトメガロウィルスの検査を行なっています。

 

なにを検査しているの?

 


私達の髪が黒いとか、目が二重であるという体の情報は遺伝子によって決められています。
遺伝子は安定なものではなく、時に正常とは異なる遺伝子(変異)を生じることがあります。変異には様々なものがありますが、当院では白血病に特徴的な数種類の変異の有無をFISH法による染色体検査とPCR法による遺伝子増幅検査で調べています。
白血病はいくつかの型に分類できます。その型に特徴的な変異の検出は、白血病の診断と治療法の選択においてとても重要です。

 


遺伝子は感染症を起こす病原微生物(結核菌、肝炎ウィルスなど)にも存在します。
肝炎ウイルス検査では、皆さんの血液中にB型肝炎ウイルスもしくは、C型肝炎ウイルスに特異的な遺伝子が存在するかを検査して感染の有無を調べます。また、ウイルスの遺伝子量を定量することで治療の効果を判定できます。

左写真:肝炎ウィルス測定機器
自動核酸抽出装置、核酸増幅検出装置

 


サイトメガロウィルスは水痘の仲間のヘルペスウィルスの一種で、日本人のほとんどは小児期に症状の無いまま感染しており、ウィルスは私達の体内で眠った状態にあります(潜伏感染)。
しかし、臓器移植や骨髄移植時に免疫抑制剤の使用などで免疫不全の状態になると、ウィルスが血中に出現して全身に散布し、肺炎や腸炎、網膜炎などの重篤な炎症を起こすことがあります。その発症を未然に防ぐために、ウィルスに感染した白血球の有無を検査し、検出されればすぐに抗ウィルス薬を投与します。